【生産者の声】株式会社MISOLA FOODSの物語
- 野 矢
- 8月23日
- 読了時間: 3分
更新日:9月9日

前職の大手食品メーカーで米国駐在していた時に、毎年夏になると身近で山火事が発生。地球温暖化が自分事化し、「環境に優しい食」という軸が必要だと強く思い、創業を決意。素材にこだわり続けた背景と、これからの挑戦を伺いました。
創業のきっかけ

前職の大手食品メーカーで米国駐在していた時に、毎年夏になると身近で山火事が発生。天気は晴れ、なのに煙の影響でどんよりと曇った空。居住エリアが避難警告対象となったことなどもあり、地球温暖化が自分事化。それまでは、おいしさや利便性を軸とした製品を開発していましたが、「環境に優しい食」という軸が必要だと強く思い、創業を決意。
よく調べると、食の産業においては、牛に関連する環境負荷が大きく、牛乳は多くの人に親しまれていますが、日本人は牛乳を飲む歴史がなく乳糖不耐症の人が8−9割もいたりということが分かってきました。
一方で、豆乳やアーモンドミルクなど既存の植物性ミルクには「クセが強い」「甘味料が気になる」といった声も少なくありませんでした。
そこで、大人も子供も誰もが美味しく飲める植物性ミルクを作りたいと考えました。
最初の一歩と試行錯誤
生産委託先の工場を探すことが製品を販売する第一歩であり、最も苦労したことでした。
候補先のリストを作っては、問い合わせ窓口からコンタクトを試み、返信があったらご挨拶・面談、開発の検討に進めそうだったら秘密保持契約を締結し、ようやくラボテストを実施する、という段取り。
オーツミルクは日本では新しいカテゴリーの製品のため、生産に必要なすべての設備が揃っている生産工場は国内にほぼ無く、ラボテストがうまくいったとしても、実際の製造ラインでは生産できなそうといったことが多々ありました。
全国津々浦々の候補先で、上記プロセスを繰り返すこと、複数回。1年以上かかって、ようやく今の生産委託先を見つけることができました。
こだわりの原材料と製法

私たちのオーツミルクづくりは、素材選びから始まります。オーツ麦はお米や大豆と同じように穀物で、品種や産地によって味や風味が異なります。日本人は特にその違いが分かるので、私たちは世界中のオーツ麦の中から、オーツミルクに最も合うと評価したものを選りすぐり、独自の原料として調達しています。
国内で完結する独自の生産方法の確立にも取り組んでいます。多くの他社製品では、オーツミルクの加工工程を簡略化(一次加工済み原料の購入など)しますが、私たちは「オーツ麦輸入以降、全ての生産加工を一から国内で完結する製法」を選びました。これにより、コク・まろやかさ・風味を最大限に引き出し、かつ閉じ込めています。
これからの挑戦
おいしくて、栄養のある食事を摂っていたら、いつの間にか地球のサステナビリティにも貢献している。身体にも地球にも優しい、そんな食生活が自然と実現できるような、製品・サービスを創っていきたいです。
オーツ麦はそんな目標を成し遂げるのにぴったりの作物です。穀物界のスーパーフードと呼ばれ、コレステロール低下や腸内環境改善に寄与する水溶性食物繊維βグルカンをはじめとして、豊富な栄養素を含有。栽培時の水の利用量も少なく、環境負荷も低いです。
会社名のMISOLAは日本語では「美空(美しい空)」。澄み渡るような青い空が後世に渡って眺められるような環境をつくる、という想いが込められています。

会社情報
企業名:株式会社MISOLA FOODS
所在地:東京都渋谷区渋谷2−19−19 ワコー宮益坂ビル5階







