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【生産者の声】お茶のながや(愛知県)の物語

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  • 8月22日
  • 読了時間: 4分

更新日:8月25日

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 愛知県西尾市の「お茶のながや」は、煎茶の畑を守り続ける茶農家です。自園栽培のかぶせ茶を生かし、手軽に飲める「粉末かぶせ茶スティック」を届けます。日常に寄り添う一杯を目指します。



創業のきっかけ

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 お茶のながやの創業は1960年です。前身は戦前から養蚕農家として生糸を生産しておりました。戦後に生糸の価格が暴落したことから経営が難しくなり、飼料としての桑の葉と植生の似たお茶の栽培を始めました。茶葉の栽培と加工を行っていましたが、1993年に煎茶の市場価格の低迷から、茶葉の自販業を開始いたしました。暮らしの中で飲んでいただけるお茶を、自らの手で届ける道を選びました。



最初の一歩と試行錯誤

 最初の茶葉加工の機械は、中古機械を寄せ集めで行っておりました。1時間に15kgの処理能力(現在は90kg/時間)。栽培面積は50a(現在の1/7程度)で近隣の茶農家からの加工賃収入を得ていました。栽培規模と工場を少しずつ大きくしていきました。

 煎茶とてん茶(抹茶原料)のどちらを栽培していくかの転機では、近隣の多くの茶農家が加工品の原料として需要の多い「てん茶」を栽培する中、「抹茶」よりも日常的に飲んでいただける煎茶を届けたいという思いで、煎茶の畑を絶やしたくない思いがあり「煎茶」栽培を中心に行っております。

 当園の茶栽培は、1番茶の新芽に農薬を使用せず、2番茶も必要最低限使用しています。「安心安全」なお茶を届けたいという思いです。農薬を減らす栽培法に移行する際には、害虫や病気により生産量が激減する年もありました。化学肥料から有機肥料に移行する際には、茶葉の風味が落ちることがありましたが、これらを続けることで現在の栽培法が確立しました。



こだわりの原材料と製法

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 愛知県西尾市吉良町の自園で栽培した茶葉のみを使用しております(抹茶製品を除く)。品質の良い1番茶の収穫前には農薬を散布せず栽培。全ての茶葉の収穫前に7日以上遮光を施すことで、「苦味渋味」を抑えて、甘味や旨味のあるまろやかな味わいの「かぶせ茶」に仕上げています。

 製法は「普通蒸し」です。「爽やかな香り」「旨味と程よい渋味」のある味わいで、2〜3煎と味わいを変えて楽しんでいただけます。地域特産物マイスター「かぶせ茶」認定も受けています。


看板商品とおすすめの楽しみ方

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  • 看板商品「かぶせ茶」:遮光をした1番茶のみ。まろやかで甘味のある味わい。人気No1。

  • 「粉末かぶせ茶」:かぶせ茶をセラミックの臼で粉末化。茶葉100%・無添加で手軽。抹茶にも劣らない色の良さと苦味のない味わい。

  • 楽しみ方:かぶせ茶は60〜80℃のお湯で抽出(水出しも可)。粉末かぶせ茶は水やお湯に溶かす・牛乳でラテ風・焼菓子や麺類の原料にも。急須は2〜3煎が目安。



これからの挑戦

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 現在お茶業界の課題として、「後継者不足」「高齢化」による廃業や耕作放棄地の増加があります。当園がある西尾市吉良町でも、どんどんお茶農家さんが減っていきます。耕作放棄をされた茶畑はやぶのようになってしまい、再収穫は難しくなります。手入れや改植には手間と費用が掛かり、新しく植えても収穫まで4年以上かかります。新規で始めるにも、機械や設備など多額の費用が必要です。そのため耕作をやめて自然に返す茶畑がほとんどで、新しく始めるのも難しく、続けるのも難しいため減少の一途をたどっています。

 この課題に対し、当園では次の歩みを続けます。

  • 畑の継承:畑を辞める方々から、手の届く範囲で茶畑の管理を任せていただいております。少しでも茶畑のある風景を残していきたい思いで、大切な畑を預からせていただきます。

  • 飲み手を広げる栽培:少しでも多くの方にお茶を楽しんで頂けるようなお茶を栽培します。日常的に飲んでいただける煎茶を軸に、畑を守る力につなげます。

  • 価値の拡張:飲むだけでなく、原料としての「お茶」や、体験としてのお茶畑など、お茶の新たな価値に挑戦します。「抹茶」にはできない「煎茶」の可能性にも向き合います。

地域の茶畑を未来につなぐために、できることを確実に積み重ねていきます。



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